このポーチは、1・2回目のワクチン接種券を入れられます。また、写真はありませんが、接種券を入れるビニールケースが付きます。
何度も試作している間に3回目の接種が始まったので、販売しない方が良いのかなとも思ったのですが、色違いで2つだけ販売する事にしました。
ここでは、コロナワクチン接種券を入れるポーチが出来るまでの作業工程を書いています。
このポーチを作ろうと思ったのは、接種証明書が紙であるため、持ち歩く内に印刷が消えていきそうだと感じたからです。
また、ビニールケースに入れるだけでは味気ないので,ポーチを作れないかと考えたのがきっかけです。
わざわざ持ち歩かなくても専用のアプリをダウンロードしておけば大丈夫と思う方もいることでしょう。
でも、自分に何かあった時に自身でスマホのロックを解除できるか分かりませんよね。
日本は、地震などの災害も多いのでアプリを入れるだけでなく、用紙も持ち歩いておいた方が安心しませんか?
このような思いから、1・2回目のコロナワクチン接種済み用紙を入れるポーチを作り始めました。
生地選びから試作品作りに試行錯誤して完成したポーチの足跡を辿っていきます。
作るものは決まったので、デザインを考えインターネットで生地探し。
最初に選んだ生地は、エンボス加工されたサテン生地です。革のように見えるところが気に入りました。
近くの手芸店には置いていなかったので、ネットで注文。生地サンプルの販売がなく、問い合わせて気になる点を聞いて購入。
実物が届くまでドキドキしながらも、ポーチの出来上がり寸法や丸く切り取る窓をどうするかなどを考えていました。
ようやく生地が届き、接着芯の試し貼りをして仕立てスタート。
始めてみたら、フタの長さ、丸窓の大きさ、窓の縁飾りなど改善点がいくつも出てきました。
その後、4つ目まで試作を繰り返しましたが、どうも納得いきません。その原因は、ポーチの左側の装飾が決まらない事と丸窓でした。ポーチの右側は、丸く切り取るので左側にレースを付けようかと当ててみても全然しっくりこなかったのです。
そこで、もう一度生地を選び直すことに。
色々探していたら、日本製のデニム生地に目が留まり「これだ!」と思いました。
色合いが好みで、一目惚れ。他にも気になった生地のサンプルをいくつか購入し、実際に触ってみて2つに絞りました。
ここでは、生地の加工前と後のサンプルが付いていて参考になりました。数日考えて、ワンウォッシュ加工してもらい、数週間後に生地が到着。
もう失敗はしたくないと思い、前回つまずいた装飾をどうするかをよく考えていたところ、リボン刺繍とオートクチュール刺繍の本に出会いまたまた「これだ!」と感じました。
今度は、リボン刺繍用のリボンのサンプルを購入して色や素材を選びに図書館通い。
そして、どういうデザインで仕立てるかを決めて試作再スタート。デニム生地という事で、ステッチを目立たせたり同色で試したりしたいなとワクワクしながら出来上がりを思い描き再開。
今回は、刺繍のデザインやフタの形を変えたりと、一つ作ってはデザインを変えたり一つの生地だけで作ってみたり・・・。いくつか試作し全体を見ると、どれも自分がイメージしていた出来とはほど遠く、販売できるものが作れるのか不安になってきました。
一抹の不安を抱えながら、どこを直したらいいのか考え、窓枠のデザインを変える事にしました。
今度こそと思い作ってみたものの、枠の装飾や窓の位置調整を何度か直してようやっと満足いくモノが出来ました。ちなみに、試作に使った裏布は手持ちの生地ですが、販売用の裏布は日本製のチェック柄です。
ここまでくるのに4か月近く。そこから、販売用の作品作りを進めています。
いくつもの試作を繰り返しても、ポーチに刺繍するのには時間を要します。
たったこれだけでも2時間掛かりました。この後リボンの下側にビーズ(日本製)を付けたり、外ポケットに刺繍して、ようやくポーチの仕立てに取り掛かれます。
窓枠があるポーチは、メタル糸でバックステッチしてから装飾し裏布の縫い代をまつっています。ここで使用しているパールも日本製です。
最後にフタ部分にもバックステッチ後、細いメタル糸を絡ませたら、ボタンホールを作り、ボタンを縫い付けています。
販売用の窓付きポーチの完成にかかった時間は、16時間。
デザイン、素材探し、試作を繰り返して出来上がったポーチです。
リボン刺繍のサイズは一定ではありませんし、リボンの向きも全て同じには出来ません。それもハンドメイドの良さと理解していただける方・愛用していただける方に手に取っていたれば幸いです。
また、リボン刺繍用のリボンはとても繊細です。何かに引っ掛けてしまうと、ツレたりしますので扱いには気を付けて下さい。お洗濯も風合いが損なわれる可能性がありますので、お勧めしませんし、破損しても保証できません。ご理解いただいた上でご購入下さい。
現在、赤いリボンでも制作中です。
また、オートクチュール刺繍を知った際ゴールドワーク刺繍も始め、エンボス加工生地に使えるかなと考え中です。更に、こういった刺繍とパッチワークキルトを組み合わせられたらなと思っています。
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